ゲームをオンライン対戦を快適に楽しむためには、通信のラグを減らすことが大切です。ラグが発生する原因の一つに通信の中継地となる「ルーター」にあります。ゲームでは、次のような理由から「ゲーミングルーター」が特におすすめです。
・搭載されている部品のスペックが高い
・LANの対応規格がハイエンドクラスで通信が速い
・オンラインゲームへ優先的に帯域幅を確保できる
ゲーミングルーター最大の特徴は、無線通信でも通信速度が低下しにくいように設計されていることです。IPv6対応のものを選んでおけば間違いがありません。今回は、ゲーミングルーターの特徴について、おすすめ製品と合わせて詳しくご紹介します。
格闘ゲームではもっともシビアにルーター性能を要求される
現在では、さまざまなジャンルのゲームでオンライン対戦が楽しめるようになっています。オンライン対戦では、各プレイヤーが快適にプレイできるように「ラグ(遅延)の少ない通信」が必要です。特に、格闘ゲームはラグを最小限に抑えることが求められます。格闘ゲームにも敵したルータなら他のゲームでも問題ありません。
格闘ゲームでは1フレーム単位の動きが重要
格闘ゲームでは、1フレーム単位の高度な操作が要求されます。使用するルーターにラグが多いと、タイミングがズレて快適にプレイできません。自分だけではなく対戦相手にも遅延が生じるため、格闘ゲームプレイヤーの間では通信ラグが特に問題視されています。
格闘ゲーム代表作の「ストリートファイター5」のマッチングでは「対戦相手との応答速度」の計測値が使用されます。その設定値によると、応答速度が20ミリ秒以下であれば「最も良い通信状態」であると判断されるようです。
(参考サイト: https://game.capcom.com/cfn/sfv/systemfault/132962)
20ミリ秒以上の遅延が生じると目に見えるラグとなり、格闘ゲームのプレイに支障が出始めます。ラグの原因にはさまざまなものがありますが、「ルーター」がボトルネックとなることが多いようです。格闘ゲームでは、「ゲーミングルーター」を使用することが推奨されています。
ゲーミングルーターに代えるとラグを減らせることが多い
スピードの速い通信というと、多くの人が光回線を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに、光回線は以前のADSL等と比べると50倍以上も高速な通信が可能です。しかし、光回線の速さを最大限に活かすためには、ルーターの選び方も大切になります。
ルーターは、ネットワークを中継する機器のことです。ルーターの処理速度が遅ければ、いくら光回線でも情報の渋滞が生じてしまいます。格闘ゲームを快適に楽しむためには、高性能なゲーミングルーターを使用することが大切なのです。
ゲーミングルーター最大の特徴は通信の安定感
ゲーミングルーターと通常のルーターの最も大きな違いは、通信速度と安定性です。オンラインゲームでは途切れることのない通信が重要なため、その用途に耐えられるスペックが求められます。次の4つのポイントが、ゲーミングルーターの大きな特徴です。
・搭載されている部品のスペックが高い
・LANの対応規格がハイエンドクラス
・オンラインゲームへ優先的に帯域幅を確保する
・新しいプロトコルに対応している
搭載されている部品のスペックが高い
ルーターにもパソコンと同じように、CPU(中央演算処理装置)やメモリ(主記憶装置)が搭載されています。CPUやメモリの性能はルーターの処理速度と直結しており、性能が不足するとラグの原因となります。
特に、近年では通信速度が格段に上がっているため、一瞬で膨大な情報を送受信するようになっています。CPUもその速度に見合うものでなければ、せっかくのスピードを活かすことができません。
CPUに関しては、コア数が多い方が有利になりやすいです。ハイエンドなゲーミングルーターでは、クアッドコアが搭載されていることが多く、製品選びの際の目安となるでしょう。
LANの対応規格がハイエンドクラス
「LAN」とは、特定範囲内の情報通信機器をケーブルや無線電波で接続し、相互に情報通信ができるようにするネットワークのことです。オンラインゲームでは、各プレイヤーのデバイスがLANで接続されることになります。
LANには「有線LAN」と「無線LAN」の2種類のものがあります。有線LANはケーブルでデバイスを接続し、無線LANでは無線通信で接続するものです。それぞれに専用の規格があり、有線LANは「イーサネット(IEEE802.3)」、無線LANでは「Wi-Fi(IEEE802.11)」に分かれます。
有線と無線のどちらでも、規格のクラスによって通信速度が大きく異なります。ゲーミングルーターでは、ラグを減らすために最新の規格が採用されることが多いです。具体的には次のような規格があり、最大通信速度の数値が高いほど優秀になります。
<イーサネット(有線LAN)規格>
・10BASE-T…通信速度10Mbps、通信距離100m
・1000BASE-T…通信速度1000Mbps、通信距離100m
・2.5GBASE-T…通信速度2.5Gbps、通信距離100m
・5GBASE-T…通信速度5Gbps、通信距離100m
・10GBASE-T…通信速度10Gbps、通信距離100m
・25GBASE-T…通信速度25Gbps、通信距離30m
・40GBASE-T…通信速度40Gbps、通信距離30m
イーサネットの規格には膨大な種類があり、上記に列挙したものはごく一部です。10Gbps以上のイーサネットは、必要性に乏しいことや消費電力が高いなどの問題から、一般にはほとんど普及していません。ゲーミングルーターでも、有線LANの対応は10GBbpsまでとなっています。
<Wi-Fi(無線LAN)規格>
・IEEE802.11b…最大通信速度11Mbps、周波数帯2.4GHz
・IEEE802.11g…最大通信速度54Mbps、周波数帯2.4GHz
・IEEE802.11a…最大通信速度54Mbps、周波数帯5GHz
・IEEE802.11n…最大通信速度600Mbps、周波数帯2.4GHzおよび5GHz
・IEEE802.11ad…最大通信速度6.8Gbps、周波数帯60GHz
・IEEE802.11ac…最大通信速度6.9Gbps、周波数帯5GHz
・IEEE802.11ax…最大通信速度9.6Gbps、周波数帯2.4GHzおよび5GHz
最後の「IEEE802.11ax」は、特に「Wi-Fi 6」と呼ばれる最先端の規格です。無線接続でありながら、有線並みの速度と安定感を得られます。そのため、格闘ゲーム用のルーターとして「Wi-Fi 6」を選んでおくと、まず間違いがないといえるでしょう。
なお、周波数帯には2.4GHz・5GHz・60GHzの3種類のものがありますが、こちらは一概に高い方が良いとはいえません。周波数の高いものは電波干渉を受けづらく通信の正確性が増す一方で、壁など遮蔽物があると通信可能距離が短くなってしまうからです。
オンラインゲームへの帯域幅を優先するので無線でもラグりにくい
先ほどご紹介しましたように、オンラインゲームでは通信速度が重要です。通信速度を高めるためにはCPUやメモリの性能も必要ですが、それ以外にも「帯域幅」も大切な要素になります。帯域幅とは、水道を流すためのホースのようなものです。
たとえば、細いホースをつなぐと流れる水が滞りやすくなりますが、太いホースをつなげればより多くの水を流すことができます。ルーターでも同様で、帯域幅は広い方がスムーズな通信が行われるのです。
ルーターにはさまざまな機器を接続できますが、ひとつのルーターで使用できる帯域幅は限られています。そのため、複数のデバイスをルーターに接続している場合は、デバイスごとに一定量を割り当てなければなりません。
通常のルーターでは全てのデバイスに均等に割り当てるため、大量の情報通信を必要とするときに帯域幅が足りなくなります。ゲーミングルーターでは、ゲーミングデバイスへ優先的に帯域幅を割り当てることで、ラグを軽減できるようになっているのです。
新しいプロトコルに対応している
「プロトコル」とは、インターネットでの情報通信を管理するための規則です。接続しているデバイスの住所を示す「IPアドレス」は、このプロトコルによって管理されています。従来は「IPv4」と呼ばれるプロトコルが、IPアドレス管理の役割を果たしていました。
IPv4では、「PPPoE (PPP over Ethernet)」と呼ばれる古い形式の接続方式を使用しています。この形式は、接続者数が増えると速度が低下するという弱点がありました。ちょうど高速道路の料金所のような感じで、利用者数が増えると渋滞が発生してしまうのです。
その一方で、新しいプロトコル「IPv6」では「IPoE (IP over Ethernet)」という接続方式を使用します。これは、利用者が増加しても混雑による速度低下が起きない回線です。ただし、ゲーミングルーターはではIPv6対応のものでも、必ずしもIPoEが使用可能とは限りません。
おすすめのゲーミングルーター3選!
ゲーミングルーターは、とにかく通信が速くて安定感があることが魅力です。しかし、様々なメーカーから多くのルーターが販売されているため、どれを選べば良いのか分かりにくいかもしれません。そこで、格闘ゲームにおすすめな「Wi-Fi 6」対応ルーターを3つご紹介します。
コスパ重視なら「TP-Link Archer AX50」
「TP-Link Archer AX50」は、最先端の「Wi-Fi 6 (IEEE802.11ax)」をお手頃価格で満喫できるルーターです。最大75%も遅延を軽減できるので、格闘ゲームでもストレスなく楽しめるようになります。最安値は12,800円となっていますので、コスパを重視したい方に最適です。
(画像:AX50.bmp)
・CPU…インテル製CPU
・対応規格(2.4GHz)…IEEE802.11ax/n/b/g
・対応規格(5GHz)…IEEE802.11ax/ac/n/a
・有線LANポート数…WAN×1、LAN×4
・USBポート数…USB3.0×1
・有線回線速度…1,000Mbps
・無線回線速度…574Mbps(2.4GHz)、2,402Mbps(5GHz)
https://www.tp-link.com/jp/home-networking/wifi-router/archer-ax50/
CPUコア数を優先するなら「NETGEAR AX1800」
「NETGEAR AX1800」の基本スペックは、先ほどご紹介したAX50とほとんど同じです。しかし、CPUがクアッドコアとなっており、場合によってはクアッドコア搭載のAX1800のラグの方が少ないこともあります。CPUコア数を優先するなら、最安値12,100円とお値打ちなAX1800がおすすめです。
(画像:AX1800.bmp)
・CPU…クアッドコア
・対応規格(2.4GHz)…IEEE802.11ax/n/b/g
・対応規格(5GHz)…IEEE802.11ax/ac/n/a
・有線LANポート数…WAN×1、LAN×4
・USBポート数…USB3.0×1
・有線回線速度…1,000Mbps
・無線回線速度…574Mbps(2.4GHz)、1,201Mbps(5GHz)
https://www.jp.netgear.com/home/products/networking/wifi-routers/rax20.aspx
最高性能を求めるなら「BUFFALO WXR-5950AX12」
「NETGEAR AX1800」の基本スペックは、現時点では最高クラスのルーターです。有線接続は最大10Gbps、無線接続では4,803Mbpsという驚異的な通信速度を誇っています。
しかも、CPUは2.2GHzクアッドコア搭載で、処理速度も抜群です。ただし、最安値でも30,000円を超えますので、最高性能を求めるハードゲーマー用のモデルになります。
(画像:WXR-5950AX12.bmp)
・CPU…2.2GHzクアッドコア
・対応規格(2.4GHz)…IEEE802.11ax/n/b/g
・対応規格(5GHz)…IEEE802.11ax/ac/n/a
・有線LANポート数…最大10Gbps×1、最大1Gbps×3
・USBポート数…USB3.1(Type-A)×1
・有線回線速度…最大10Gbps
・無線回線速度…1,147Mbps(2.4GHz)、4,803Mbps(5GHz)
https://www.buffalo.jp/product/detail/wxr-5950ax12.html
まとめ
今回は、ゲーミングルーターの特徴とおすすめの製品をご紹介しました。格闘ゲームのオンライン対戦では、とにかく通信速度が命です。格闘ゲームを快適に楽しむために、「Wi-Fi 6 (IEEE802.11ax)」対応のゲーミングルーターを選びましょう。
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